通信データ vol.128

その時、再び、

ゴゴゴゴ

と大きな音がした。昨晩と同じく、”ぴラミクの穴”の底からであった。

ゴゴゴゴ

急に回りが揺れ始めた。ふと”ぴラミクの穴”の底を見ると、そこに大変なことが起こっていることが判明した。

「リヒト・マーガレぁⅢ世殿、タコンイぃカⅢ世殿、…..

ゴゴゴゴ

「うわぁーーーーーーー、

(図(*))

ゴゴゴゴ

自分の体がぐらぐらと揺れたのもつかの間、我がエビカぁニⅢ世だけでなく、リヒト・マーガレぁⅢ世殿、タコンイぃカⅢ世殿ともども、そこの闇に吸い込まれていった。

*: http://www.astro.princeton.edu/~jdolence/research/holes.htmlより引用

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.127

あたりは真っ暗なままであったが、時間にしてハドゴンG星の朝にあたる時間であった。そろそろテントを片づけて、出発する時間になるのかもしれない。昨晩の奇妙な音と揺れと不安から、あまり寝付きがよくはなかったが、体調自体はまずまずであった。タコンイぃカⅢ世殿にも聞いてみたところ、

「我がタコンイぃカⅢ世も寝付けなかった。なんだか先行きが不安だなぁー。」

「そうそう、そうだよねぇー。」

いろいろと昨日の揺れについてタコンイぃカⅢ世殿と話をしている時に、テント内の通信機が鳴った。

「そろそろ出発しようかと思っているのだけど…、準備はダイジョウブ?」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿からだった。いつも自信満々な感じのリヒト・マーガレぁⅢ世であったが、心なしか不安そうな感じであった。やはり昨日の奇妙な音と揺れが気になっているのかもしれない。

「それじゃ、テントを片づけるので、外に待っていてくれないかな…]

テントの外に出ると、少し目が慣れたのか、それとも朝になって少し光が射したのかは分からないが、現在のテント場にいる”ぴラミクの穴”の周りの様子が何となく分かった。すると、昨日にはなかったはずの”ぴラミクの穴”の壁面の奇妙な状況が確認できた。

gnuplotで

set xrange[-10:10]
set yrange[-10:10]
set pm3d
splot cos(x)*sin(y)+cos(x)*sin(y) notitle

とデータ入力し、gifにすると、この図が現れる。

「壁面が…、脈打っている…」

「あっ…」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿とタコンイぃカⅢ世殿もその異変にずぐに気付いたようであった。

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「タコンイぃカⅢ世殿…。ぁシュバオロス菌の信号に何か変化はある?」

タコンイぃカⅢ世殿:「完全に同期している…」

gnuplotで

set xrange [-10:10]
set yrange [-2:4]
plot sin(x) with lines notitle, sin(x)+0.1 with line notitle

とデータ入力し、この図が現れる。

「……..」

ますます、この先の探索が不安になった。リヒト・マーガレぁⅢ世殿も宇宙服ごしであったが、顔が少し青ざめているのが分かった。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.126

しばらくすると、テント内に備え付けれている通信機が鳴った。リヒト・マーガレぁⅢ世殿からであった。

「あっ、エビカぁニⅢ世殿ね。今変な揺れがあったけど、ダイジョーブ?」

「ダイジョウブ。リヒト・マーガレぁⅢ世殿はどう?」

「私もダイジョブ。それにしても奇妙な揺れだったわね。ハドゴンG星の地殻内部に変動があったのかしら。タコンイぃカⅢ世殿は何か言っているかしら…」

タコンイぃカⅢ世殿に聞いてみた。

タコンイぃカⅢ世殿:「今のところ特に問題ないみたいだし、通信機器の画面にも特に異常な波形は見られていないようだし…」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「ふーん。そうなのね。でも、奇妙な揺れだったわね。」

エビカぁニⅢ世:「”ぴラミクの穴”の底からの音だったような気がするけど…」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「そうよね…。とりあえず明日の探索で確かめてみましょうか…」

タコンイぃカⅢ世殿、エビカぁニⅢ世:「御意。」

そうして、今から何か恐ろしいことが起こり得る予感がしながらも、再び眠りについた。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.125

テントの中で、ゆっくりと過ごしていた時であった。

ゴゴゴゴ

と大きな音が”ぴラミクの穴”の底からしたかと思うと、急に回りが揺れ始めた。

「あれっ。何だか体が…」

そうして自分がぐらぐらと揺れているのが分かった。

とても怖かった。

しばらくすると、音もやみ、あたりが再び静かになった。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.124

”ぴラミクの穴”の入口からちょうど中央あたりになった頃に、アバルス星雲エカリーテ系団ペッカからの光も途絶えた。手元の時間を確認すると、ちょうどハドゴンG星では夜に相当する時間帯に差し掛かった。あたりは真っ暗だった。物音もほとんどしない。

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「タコンイぃカⅢ世殿、エビカぁニⅢ世殿。ここらあたりでキャンプとしましょうか。」

そう言ってから、リヒト・マーガレぁⅢ世殿は宇宙服のポケットからカプセル用の物体を2つ取り出し、それを空中に放り投げた。すると、目の前にちょうど2人が入れるぐらいのスペースがありそうな赤と緑の楕円形の物体が立っていた。

gnuplotで、

set samples 100
set isosamples 100
set parametric
set urange[0:2*pi]
set vrange[0:pi]
set table ‘spheres.dat’
r = 0.25
splot r*cos(u)*sin(v),r*sin(u)*sin(v),r*cos(v) with lines
unset table
unset parametric

set xrange[-1:1]
set yrange[-1:1]
set cbrange[-1:3]
set palette defined (0 ‘black’, 1 ‘green’, 1 ‘black’, 2 ‘red’)

set pm3d depthorder
unset colorbox
unset key
set ticslevel 0
set view 19,34
splot ‘spheres.dat’ using ($1-0.5):2:3:($3/r) with pm3d, \
” using ($1+0.5):2:3:($3/r + 2) with pm3d

とデータ入力すると(*)、この図が得られる。

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「これ、新しいテントよ。私の故郷である、アバルス星雲エカリーテ系団アンプーノ・イゴ星で開発された局地探査用の携帯テントなの。どう? すごいでしょ。」

エビカぁニⅢ世:「かっこいいなぁ~。」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「そうでしょ。私も開発に関わったのよ。」

タコンイぃカⅢ世殿、エビカぁニⅢ世:「へぇ~。」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「赤いテントは私専用。緑のテントはタコンイぃカⅢ世殿とエビカぁニⅢ世殿のものね。」

タコンイぃカⅢ世殿、エビカぁニⅢ世:「御意。」

そうして、各々のテントに入った。

*: https://stackoverflow.com/questions/18243527/gnuplot-pm3d-and-surfacesを参照

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.123

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「それじゃ、私から”ぴラミクの穴”に降りて行くわね。」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿を先頭に、タコンイぃカⅢ世殿、そして、我がエビカぁニⅢ世の順に”ぴラミクの穴”に降りていくことになった。宇宙船が到着した山頂からの眺めでは、ぽっかりと大きな穴が開いているだけの”ぴラミクの穴”であったが、まじかに見るととてつもなく大きいな口を開けている怪物のようにも見え、恐ろしくなった。前を見ると、タコンイぃカⅢ世殿もやや震えているようであった。

タコンイぃカⅢ世殿:「リヒト・マーガレぁⅢ世殿、ここから何mほどまで降りることになるのかなぁ?」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「そうね~。40mほどかしら。たぶん底までには1日では着けないと思うので、今晩は途中でキャンプして、明日の昼ごろには着けるかしら…」

タコンイぃカⅢ世殿、エビカぁニⅢ世:「ふ~ん。」

と平気な感じで装いつつも、本音ではタコンイぃカⅢ世殿も(まさか40mも降りなければいけないとは思ってもいなかった。しかも、途中でキャンプなんて…)だったであろう。

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「タコンイぃカⅢ世殿。ぁシュバオロス菌からの信号に何か変化はありますか?」

gnuplotで

set xrange [-10:10]
set yrange [-2:4]
plot sin(x) with lines notitle, sin(x)/x with line notitle

とデータ入力すると(*)、この図が現れる。

タコンイぃカⅢ世殿:「まだ、特に同期現象らしき信号はないようです。」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿がタコンイぃカⅢ世殿の通信機器らしき機器の画面を覗いた。

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「赤が私が持っているぁシュバオロス菌で、緑が”ぴラミクの穴”の底からの電波ね。うーん、どうもまだ同期現象らしきものは見られていないわね。もう少し先を急ぎましょうか。」

タコンイぃカⅢ世殿、エビカぁニⅢ世:「御意。」

奥に進めば進むほど、アバルス星雲エカリーテ系団ペッカからの光も徐々に届かなくなってきていた。

*: 山本昌志: gnuplotの精義. カットシステム. 2009.

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.122

宇宙船外に降り立ち、横を確認すると、”ぴラミクの穴”がぽっかりと口を開けていた。かなり深そうな穴であった。リヒト・マーガレぁⅢ世殿は何やら機械を取り出し、その機械の先端部分を”ぴラミクの穴”に向けた。

「この機械で、”ぴラミクの穴”の全体像を確認してみるわね。」

しばらくすると、機械の画像部分に絵が映し出された。それが下図となる。

gnuplotで

set angles degrees

vortex(x,y)=tanh(nu*sqrt(x**2+y**2)/xi)
nu=1.0
xi=0.01

HSV_Hi(h)=sgn(h)*floor(abs(h)/60)%6+(h>=0 ? 0 : 5)
HSV_f(h)=(sgn(h)*(abs(h)-(floor(abs(h))/360)*360.0)/60.0+(h>=0 ? 0 : 6))-HSV_Hi(h)
HSV2R(h,s,v)=( \
HSV_Hi(h)==0 || HSV_Hi(h)==5 ? v : (\
HSV_Hi(h)==1 ? v*(1-HSV_f(h)*s) : (\
HSV_Hi(h)==4 ? v*(1-(1-HSV_f(h))*s) : (\
HSV_Hi(h)==2 || HSV_Hi(h)==3 ? v*(1-s) : 0.0) )))
HSV2G(h,s,v)=( \
HSV_Hi(h)==1 || HSV_Hi(h)==2 ? v : (\
HSV_Hi(h)==3 ? v*(1-HSV_f(h)*s) : (\
HSV_Hi(h)==0 ? v*(1-(1-HSV_f(h))*s) : (\
HSV_Hi(h)==4 || HSV_Hi(h)==5 ? v*(1-s) : 0.0) )))
HSV2B(h,s,v)=( \
HSV_Hi(h)==3 || HSV_Hi(h)==4 ? v : (\
HSV_Hi(h)==5 ? v*(1-HSV_f(h)*s) : (\
HSV_Hi(h)==2 ? v*(1-(1-HSV_f(h))*s) : (\
HSV_Hi(h)==0 || HSV_Hi(h)==1 ? v*(1-s) : 0.0) )))

set xrange [-0.05:0.05]
set yrange [-0.05:0.05]
set samples 51
set isosamples 51

tablefile=”table.dat”
set table tablefile
splot 0
unset table

set pm3d depthorder interpolate 1,1 hidden3d 1

set style line 1 linetype 1 linecolor rgb “black” linewidth 0.25

set view 65,338
unset colorbox
set border 0
unset xtics
unset ytics
unset ztics
unset key

N=50.0
colmax = (N)*360.0

set cbrange [0:colmax]

set palette model RGB functions \
HSV2R((gray*colmax/360.0-floor(gray*colmax/360.0))*360.0, 1, (floor(gray*colmax/360.0)/N)),\
HSV2G((gray*colmax/360.0-floor(gray*colmax/360.0))*360.0, 1, (floor(gray*colmax/360.0)/N)),\
HSV2B((gray*colmax/360.0-floor(gray*colmax/360.0))*360.0, 1, (floor(gray*colmax/360.0)/N))

set pm3d corners2color min

splot tablefile using 1:2:(vortex($1,$2)):(floor(vortex($1,$2)*N)*360.0+atan2($2,$1)+180) \
with pm3d

set term post color enhanced

とデータ入力すると(*)、この図が現れる。

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「うーん。どうも底の方がうまく可視化できないわね。なぜかしら…。」

タコンイぃカⅢ世殿と、我がエビカぁニⅢ世もその機械の画像に注視したが、やはり底の方がうまく可視化されていないことが分かった。

タコンイぃカⅢ世殿:「リヒト・マーガレぁⅢ世殿。もしかして通信を妨害している何かが底にあるのかもしれない…。例えば、底にいるぁシュバオロス菌が可視化のための信号を操作している、とか…。」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「そうかもね…。単純に、ぁシュバオロス菌の同期現象を探るだけのつもりなんだけども、ちょっと底の方での観測は注意しないといけないかもね…。」

エビカぁニⅢ世:「な

ほどぉ…。」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿、タコンイぃカⅢ世殿:「な

ほど。でしょ、だよ。」

ちょっとのボケのつもりだったが、悲しいことに、二人から妙に突っ込まれてしまった…。

*: http://www.ss.scphys.kyoto-u.ac.jp/person/yonezawa/contents/program/gnuplot/gallery/single-vortex-phase.htmlを参照

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.121

準備が整い、リヒト・マーガレぁⅢ世殿、タコンイぃカⅢ世殿、そして、我がエビカぁニⅢ世の順に、宇宙船外に降り立った。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「

素敵~

タコンイぃカⅢ世:「

すばらしぃ~

エビカぁニⅢ世:「

うひょぉ~

降り立つと目の前にはとても素晴らしい光景が広がっていた。遠くにはアバルス星雲エカリーテ系団ペッカ(通信データのvol.4vol.105も参照)も見えて、ハドゴンG星がこんなにも素敵な星だったのだと、改めて気がついた。その時の写真を図(*)で示す。

*: http://designyoutrust.com/2016/09/art-of-the-deep-space/より引用

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.120

着陸してからリヒト・マーガレぁⅢ世殿は、手際良くハドゴンG星の大気組成を調べた。それが下図となる。

atmosphere.csvを下のデータで作成して、

name,persentage
CO2,95.00
N2,2.70
Ar,1.60
CH4,0.50
?,0.2

gnuplotで

filename = ‘atmosphere.csv’

rowi = 1
rowf = 7

set datafile separator ‘,’

stats filename u 2 every ::rowi::rowf noout prefix “A”
rowf = (rowf-rowi > A_records – 1 ? A_records + rowi – 1 : rowf)

angle(x)=x*360/A_sum
percentage(x)=x*100/A_sum

centerX=0
centerY=0
radius=1

yposmin = 0.0
yposmax = 0.95*radius
xpos = 1.5*radius
ypos(i) = yposmax – i*(yposmax-yposmin)/(1.0*rowf-rowi)

set style fill solid 1
unset key
unset tics
unset border
set size ratio -1
set xrange [-radius:2*radius]
set yrange [-radius:radius]
pos = 0
colour = 0
plot filename u (centerX):(centerY):(radius):(pos):(pos=pos+angle($2)):(colour=colour+1) every ::rowi::rowf w circle lc var,\
for [i=0:rowf-rowi] ‘+’ u (xpos):(ypos(i)) w p pt 5 ps 4 lc i+1,\
for [i=0:rowf-rowi] filename u (xpos):(ypos(i)):(sprintf(‘%05.2f%% %s’, percentage($2), stringcolumn(1))) every ::i+rowi::i+rowi w labels left offset 3,0

とデータ入力すると(*)、大気組成の図が得られる。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「30年前の探索の時とほぼ同じね。ちょっと組成の分からない?が気になるけど…。」

タコンイぃカⅢ世殿もその図を覗きこんで、

「CO2(二酸化炭素)が95%、N2(窒素)が2.7%、Ar(アルゴン)が1.6%、CH4(メタン)が0.5%、?が0.2%か。ほんとだ。そういえば、?は以前なかったなぁ。」

エビカぁニⅢ世:「ふ~ん。」

我がエビカぁニⅢ世はこの手の科目が苦手だったために、あまりよく分からなかった。しかし、確かに30年前のハドゴンG星の探索で、ハドゴンG星については大気組成も含めて、ほぼ明らかとなったことだけは覚えている。その時、?はなかったはずである。何かがハドゴンG星で変わりつつある現象なのかもしれない。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「ところで、タコンイぃカⅢ世殿。宇宙船内のぁシュバオロス菌にはまだ同期現象が見られていないのだけれども、”ぴラミクの穴”の方から何かの信号源はある?」

タコンイぃカⅢ世:「いや。ないなぁ。」

エビカぁニⅢ世:「ふ~ん。」

リヒト・マーガレぁⅢ世:「?が若干気になるけど、大気組成は特に問題ないようだし、とりあえず宇宙船外に出てみましょう。」

エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「御意。」

そうして、宇宙船外に行く準備を始めた。

*: http://stackoverflow.com/questions/31896718/generation-of-pie-chart-using-gnuplotを参照

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.119

リヒト・マーガレぁⅢ世:「もうすぐでハドゴンG星への着陸態勢に入ります。エビカぁニⅢ世殿、タコンイぃカⅢ世殿、用意はいいですか?」

エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「

御意ぃひ

リヒト・マーガレぁⅢ世:「5・4・3・2・1・

着陸

ドドドドドーン

シーン

着陸後、何一つ物音がしなかった。宇宙船への磁場の影響もどうやら感じられない。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「ほら、言ったとおりじゃない。裏の報告なんてあてにならないって。なんともないじゃない?」

どうやら何ともなかったようである。宇宙船も粉々になることなく、存在している。もちろんリヒト・マーガレぁⅢ世殿、タコンイぃカⅢ世殿、そして我がエビカぁニⅢ世にも異常な点は見られない。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「じゃぁ、地図で現在地を確認してみるわね。」

黄色の点が着陸地点を示す。

通信データのvol.116で示した、”ぴラミクの穴”のちょうど隣の山の頂上のど真ん中に着陸できたようで、リヒト・マーガレぁⅢ世殿の宇宙船の操縦の腕がはからずとも確かなことが証明された。リヒト・マーガレぁⅢ世殿は操縦の腕に関して豪語していたが、この結果には我がエビカぁニⅢ世も感心せずにはいられなかった。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.118

そうこうするうちに、次第にC案の路線上に入ってきた。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「この辺までくれば、たぶんハドゴンG星の表面の磁場を観測できるわね。到着地点である山の頂上を中心に磁場量観測器で計測してみましょう。」

そう言って、リヒト・マーガレぁⅢ世殿は、宇宙船の磁場量観測器にハドゴンG星の表面の位置座標を入力し、ハドゴンG星の磁場の計測を試みた。下図にその結果を示す。

gnuplotで

set xtics -3,0,3
set ytics -3,0,3
set xrange [-3:3]
set yrange [-3:3]
set log z
set title “磁場”
unset key
splot cos(x)**2*y**2+2, cos(x)**2*sin(y)**4+2, x**4*sin(y)**2+2

とデータ入力すると(*)、この図が得られる。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「なるほど、やっぱりね。ほら、これを見てみると、山の頂上に相当するど真ん中の箇所の磁場が乱れていないことがわかるじゃない。その周りだと結構、乱れているけど…。要はど真ん中に着陸すればいいことなのよ。」

エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「ふーん。」

半信半疑だったが、ここはリヒト・マーガレぁⅢ世殿の勘に任せるしかしょうがない。耳元で、タコンイぃカⅢ世殿も我がエビカぁニⅢ世に向かって、

ダイジョーブかな?

とつぶやいた。

*: http://www.gnuplot.info/demo/surface1.htmlを参照

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.117

リヒト・マーガレぁⅢ世:「エビカぁニⅢ世殿。現在地を確認してくれる

かな?

エビカぁニⅢ世:「御

意ぃひ。

通信データのvol.116に記したように、リヒト・マーガレぁⅢ世殿のC案にすぐに賛同せずに、我がエビカぁニⅢ世の意見を少し述べたせいかわからないが、我がエビカぁニⅢ世に対するリヒト・マーガレぁⅢ世殿の言葉尻がややきつかった。実にとほほ、である。ここは覚悟して、リヒト・マーガレぁⅢ世殿のC案に賛成しよう。

(神様…、サザぇんほターテⅡ世殿の元に無事に帰れますように…)

リヒト・マーガレぁⅢ世:「タコンイぃカⅢ世殿。ハドゴンG星から何か信号は聞こえますか?」

タコンイぃカⅢ世:「いいえ。まだです。」

リヒト・マーガレぁⅢ世:「エビカぁニⅢ世殿。現在地はどうかな

かな?

エビカぁニⅢ世:「

ここです。

赤の星印は現在地を示す。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「もう少しで分岐点ね。エビカぁニⅢ世殿、ならびに、タコンイぃカⅢ世殿に告ぐ。今回の着陸の方法は、C案でいい

わね?

エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「

御意ぃひ

なんだか、リヒト・マーガレぁⅢ世殿の、独断の宇宙旅行となりそうな気配である。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.116

通信データのvol.115に記されたように、無謀にもC案を決行したリヒト・マーガレぁⅢ世殿は、すぐさまC案に相当する着陸地点のハドゴンG星の表面を可視化した。

gnuplotで

reset
f(x,y)=sin(1.3*x)*cos(.9*y)+cos(.8*x)*sin(1.9*y)+cos(y*.2*x)
set xrange [-5:5]
set yrange [-5:5]
set isosample 250, 250
set table ‘test.dat’
splot f(x,y)
unset table

set contour base
set cntrparam level incremental -3, 0.5, 3
unset surface
set table ‘cont.dat’
splot f(x,y)
unset table

reset
set xrange [-5:5]
set yrange [-5:5]
unset key
set palette rgbformulae 33,13,10
p ‘test.dat’ with image, ‘cont.dat’ w l lt -1 lw 1.5

とデータ入力すると(*)、この図が得られる。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「この図で説明するわね。まず、ハドゴンG星の”ぴラミクの穴”はここにあるのね。そして、今回着陸しようと思うのは。この黒丸を付けた山の頂上ね。中間地点は何があるか分からないために、できるだけ高い山の頂上に着陸しようと思うの。そこなら、たぶん何もないでしょう。山の上で、磁場も少ないはずだし…。」

エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「ふむ。ふむ。」

と聞いていた。けれども、ハドゴンG星の唯一着陸できる、通信データのvol.115に記されたA案か、B案に基づく場所の、”なンニモーの平原”(何もない安全平原)が着陸する上では、唯一とても安全な場所と確証されていたはずである。それは、30年前にハドゴンG星のへ生命体の探索の調査ですでに明らかとなっている。それ以外の場所に着陸した、それ以前の探索隊は今もって行方不明で、その理由として宇宙船を破壊させるぐらいの強力な磁場がハドゴンG星の至る所にあって、宇宙船もろとも隊員も壊滅的に粉々にやられたとの裏の報告もある。

エビカぁニⅢ世:「でも、リヒト・マーガレぁⅢ世殿。やっぱり磁場がないと確証されている”なンニモーの平原”に着陸した方がよいのでは…。なんかうわさでむかしの探索隊は、宇宙船が粉々にやられたとの裏の報告もちらほらと…」

リヒト・マーガレぁⅢ世:「確かにそうだわね。でも裏の報告は、あくまで裏の報告で真相がわかっていないじゃない。そこで、それも含めて今回、突き止めようと思うのね。

なんか文句ある?

エビカぁニⅢ世:「

ないです。

*: http://www.phyast.pitt.edu/~zov1/gnuplot/html/contour.htmlを参照

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.115

エルビぃ48星から、ハドゴンG星までの距離は、ヒーペロ星からエルビぃ48星までの約1/3に相当する。通信データのvol.49vol.87でも記したように、エルビぃ48星は、ヒーペロ星から約8000万km離れており、エルビぃ48星から、ハドゴンG星までは距離にして約3000万kmほどであることから、約半日でいける予定となる。しかし、ハドゴンG星は星の表面の状態から着陸できる場所が非常に限られていることもあって、実際にハドゴンG星に着陸するまでにさらに半日要する。下図のA案のように、迂回するか、それとも、B案のように、ハドゴンG星の自転周期を待って着陸するかの2種類しか方法がなかったはずである。

赤の星印は現在地を示す。

そこで、リヒト・マーガレぁⅢ世殿に尋ねてみた。

エビカぁニⅢ世:「リヒト・マーガレぁⅢ世殿。たしか、ハドゴンG星の着陸できる場所が限られていたように思うのですが、今回の着陸はA案の方法なのでしょうか? それともB案の方法なのでしょうか?」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「そうねぇ~。」

少し考え込んでいるようであったが、先の図に矢印を書きたし、

「今回、ぁシュバオロス菌の同期が見られたのは、ハドゴンG星の”ぴラミクの穴”じゃない。この矢印の先に、”ぴラミクの穴”があるのね。そこで、C案を決行しようと思うの。」

エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「

げっ…

タコンイぃカⅢ世:「リヒト・マーガレぁⅢ世殿。それはあまりにも無謀では…」

リヒト・マーガレぁⅢ世:「私の宇宙船の操縦の腕なら

ダイジョーブ

よ。」

先行きがとても不安になってきた…

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.114

ハドゴンG星への探索行きの朝を迎えた。我がエビカぁニⅢ世とリヒト・マーガレぁⅢ世殿とタコンイぃカⅢ世殿は宇宙服を着て、リヒト・マーガレぁⅢ世殿の宇宙船であるリヒト・第12号機に搭乗した。宇宙船の窓から向かって右上が我がエビカぁニⅢ世で、真ん中にリヒト・マーガレぁⅢ世殿、左上にタコンイぃカⅢ世殿が搭乗している。

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「エルビぃなうちゅー飛行場管制塔へ。こちらはアバルス星雲エカリーテ系団アンプーノ・イゴ星の、リヒト・マーガレぁⅢ世です。まもなく、宇宙船リヒト・第12号機は、エルビぃなうちゅー飛行場からハドゴンG星に向けて発射します。離陸許可を願いたい。ドーゾ。」

エルビぃなうちゅー飛行場管制塔:「こちらは、エルビぃなうちゅー飛行場管制塔。ただいま離陸許可を確認しました。リヒト・第12号機のエルビぃなうちゅー飛行場からの離陸を許可します。ドーゾ。」

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「ありがとうございます。それでは、ただいまから、離陸します。5・4・3・2・1・発射」

ドドーン

3人ともやや緊張した面持ちで、エルビぃ48星のエルビぃなうちゅー飛行場を発射した。我がエビカぁニⅢ世は、始めてアンプーノ・イゴ星の宇宙船に搭乗し、今回、エルビぃなうちゅー飛行場から離陸したわけであるが、我が父に相当するエビカぁニⅡ世の愛機で、このたび、我がエビカぁニⅢ世も自動操縦なくエルビぃ48星に到着できた愛機となりつつあるデアブタンク600ぇすいよりも、相当な轟音なのには正直驚いた。デアブタンク600ぇすいに搭載されている重力を自由自在に操るエンジン機構、シャケナべぃべ(通信データのvol.40も参照)とは異なる推進機構らしい。それにしても、轟音である。

ドドドドドーン

リヒト・マーガレぁⅢ世殿:「エビカぁニⅢ世殿とタコンイぃカⅢ世殿。だいたい

ドドド

……ね~。」

リヒト・マーガレぁⅢ世が何か伝えていたが、轟音でほとんど聞き取れなかった…。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→




通信データ vol.113

通信データのvol.112にあるように、我がエビカぁニⅢ世はヒーペロ星に戻ることなく、急遽のハドゴンG星への探索行きの運命をサザぇんほターテⅡ世殿に告げた。そのことに関してサザぇんほターテⅡ世殿に、今回の探索行きとなった運命的な一件について詳しく説明した。

惑星のエルビぃ48のゴージャスエルビぃに到着した後に、ゴージャスエルビぃの大浴場で偶然にアッバッス王国のタコンイぃカⅢ世殿と出会ったこと、タコンイぃカⅢ世殿はゴージャスエルビぃで開催される特別の学会に参加するためにここゴージャスエルビぃに宿泊していたこと、その学会の主催はアンプーノ・イゴ星のリヒト・マーガレぁⅢ世殿であったこと、その学会でリヒト・マーガレぁⅢ世殿がハドゴンG星に探索に行く計画をしていること、その同行に我がエビカぁニⅢ世も推薦されたこと(いいのかわるいのかは別として)、についてサザぇんほターテⅡ世殿に説明した。

サザぇんほターテⅡ世:「国王、しかと理解しました。ゴージャスエルビぃのスイーツのおみやげについては、もうしばらく我慢したいと存じます。」

いつも貴高なサザぇんほターテⅡ世殿であるが、今回ばかりは、寂しそうであった…。

我がエビカぁニⅢ世も、本音で言えば、ヒーペロ星に帰りたかった。サザぇんほターテⅡ世殿とおみやげのスイーツをともに食しながら、今回の宇宙航行について語りあいたい気持ちでいっぱいであった。しかし。しかし、である。あこがれのリヒト・マーガレぁⅢ世殿が我がエビカぁニⅢ世を指名したということは、何か運命的な、何か運命的な、何か運命的な、何かがあるのかもしれない。

「あこがれのリヒト・マーガレぁⅢ世殿と、

うちゅうりょこー

。」

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通信データ vol.112

リヒト・マーガレぁⅢ世殿の主催による学会の後、ヒーペロ星ペロリンチョ王国の元老であるサザぇんほターテⅡ世にワープ的通信技術を使って、連絡した。

エビカぁニⅢ世:「こちら惑星のエルビぃ48のゴージャスエルビぃのスイーツルームに滞在中の我がエビカぁニⅢ世でございます。サザぇんほターテⅡ世殿、聞こえますか、ドーゾ。」

サザぇんほターテⅡ世:「よく聞こえますぞ、エビカぁニⅢ世殿。そろそろ帰られる支度となったのですかな?、ドーゾ。」

エビカぁニⅢ世:「高等技術学校に100年ほど前に留学していたアンプーノ・イゴ星のリヒト・マーガレぁⅢ世殿は覚えていますか? ドーゾ。」

サザぇんほターテⅡ世:「あの、ヒーペロ星の高等技術学校が、エビカぁニⅢ世殿の父であるエビカぁニⅡ世殿の功績によって国際宇宙連合体に認められた後に、最も頭がよいのではと噂された方ですね? ドーゾ。」

エビカぁニⅢ世:「そうなんだけれども、明日に急遽、リヒト・マーガレぁⅢ世殿とアッバッス王国のタコンイぃカⅢ世殿と、ハドゴンG星に探索に行くことになってしまったのです…]

サザぇんほターテⅡ世:「

ええっ…

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通信データ vol.111

その時、会場の後ろの方の一角から挙手があった。

「リヒト・マーガレぁⅢ世殿。少々、発言してもよろしいでしょうか?」

リヒト・マーガレぁⅢ世:「どうぞ。発言を許可したいと思います。」

後ろを振り返ってみると、生態学者として我がエビカぁニⅢ世もなんとなく見覚えのなる著明な人らしき方が立っていた。

「今回の、ハドゴンG星への旅に関して、タコンイぃカⅢ世殿については賛同します。貴殿は、国際宇宙通信工学に関して、謎の信号の解析に対する特異な学識を有していることは存じております。しかしながら、エビカぁニⅢ世殿はどうでしょうか。エビカぁニⅢ世殿はヒーペロ星の生態学者としてはそれなりの業績も当方は認めることはできます。しかしながら、宇宙全般にわたる生態学を収めるには、あまりにも見識が少ないように感じます。拙者カフェルン・いぃシュⅤ世は、国際宇宙生態学としてもそれなりの貢献は出来ていると自負しております。そこで、なぜ、今回、ハドゴンG星の生態学者として、エビカぁニⅢ世殿を推薦するのかについて、その理由を詳しくお聞かせ願いたい。」

名前を聞いて、そういえば、思い出した。この人は、このエルビぃ48星から45億kmも離れたマリーム星の生態学者で、マリーム星だけではなく、はペロン星、シュゲッツ・ラリホー星など様々な惑星における生物圏の生態を解明した学者としても有名な人だった。

(やっべーなぁ~。高等技術学校時代からリヒト・マーガレぁⅢ世殿にはあこがれてはいたものの、別に今回の特別の学会に招かれた訳でもない我がエビカぁニⅢ世が、なんで、よりによって、なんで、ハドゴンG星の探索に参加なんだよ~。やっぱ、カフェルン・いぃシュⅤ世の方が適任じゃないのかぇ~)

リヒト・マーガレぁⅢ世:「それでは、理由を説明したいと思います。一学者としては妙な意見かもしれませんが、今回のハドゴンG星への旅はかなりリスクが高いと感じております。今では明らかな生命体はいないと確信されてはいるハドゴンG星ですが、今回のぁシュバオロス菌からの同期現象が示すように、ハドゴンG星の”ぴラミクの穴”には何らかの生命体がいる可能性が非常に高いと思います。今から数えますと、ざっと30年前にハドゴンG星のへ生命体の探索に関して、ようやく生命体がいないと確信されたのはすでに周知のことではありますが、それ以前に何度も探索隊が行ったにも関わらず、その探索隊は今もって行方不明です。その原因も明らかにされていません。

そこで、です。

他の惑星の生態に見識が深い方によって、ハドゴンG星の今回の旅の見識を予備知識から固めるよりも、まっさらな知識をもつ、エビカぁニⅢ世殿の方が適任と感じた次第であります。それは、単純に一学者としての勘です。」

(なるほど…….、えっ、なるほど?)

これは、リヒト・マーガレぁⅢ世殿に、我がエビカぁニⅢ世がほめられている…のか…なぁ…

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通信データ vol.110

「お集まりの皆さま。大変、長らくお待たせをいたしました。ただいまから、アンプーノ・イゴ星のリヒト・マーガレぁⅢ世殿の主催による特別な学会を、ここゴージャスエルビぃで開催したいと思います。今回、ゴージャスエルビぃで開催の運びとなりまして、ゴージャスエルビぃの支配人である、私ことビヒぃも実に光栄に感じております。ここからは、私ことビヒぃが今回の司会を務めさせていただきます。ドーゾ、よろしくお願いします。」

ついに特別の学会が開催された。タコンイぃカⅢ世殿と我がエビカぁニⅢ世も最前列に並んで座った。

すると、壇上にリヒト・マーガレぁⅢ世殿が現れ、今回の特別の学会の趣旨について説明した。

「今回ははるばる遠くの惑星からもお越しいただいたことに、非常に感謝しております。今回の学会を特別としたには、理由があります。上級学者のリヒト・ぁシュバオロスⅡ世によって名付けられたぁシュバオロス菌の存在については、いまさら述べることもありませんが、このぁシュバオロス菌の同期現象を使って、生命体がいないとされていたハドゴンG星には、実は生命体がいるであろう高い可能性が示唆されたのです。その証拠となる図をご覧ください。」

そう言って、リヒト・マーガレぁⅢ世殿のイゴなニュース誌にも掲載されている図が提示された。

そして、ひと通り図に関する説明が終わると、リヒト・マーガレぁⅢ世殿はこう告げた。

「今回、ぁシュバオロス菌の同期が見られたハドゴンG星の”ぴラミクの穴”の調査に、急遽ですが、しかし、実は前もってから計画していた旅について、明日から行く所存でございます。しかしながら、危険な旅になるかもしれないので、その同行には私ことリヒト・マーガレぁⅢ世を含めて、3人に限定したいと考えております。同行の一人として、まず、ヒーペロ星の通信工学者であるタコンイぃカⅢ世殿を指名したいと思います。ハドゴンG星における通信データの解析者として適任かと存じます。もう一人は、昨日、偶然にここゴージャスエルビぃで宿泊された同じくヒーペロ星の生態学者のエビカぁニⅢ世殿を指名したいと思います。

エビカぁニⅢ世:「

げっ…

寝耳に水だったので、その後、リヒト・マーガレぁⅢ世殿がなんて言っていたのか、よく覚えていない。

…。以上です。」

会場からは拍手が沸き起こった。

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通信データ vol.109

食事も終わり、軽くリヒト・マーガレぁⅢ世殿のレクチャーもあったものの、むかしと変わらない情熱をもつリヒト・マーガレぁⅢ世殿がとても素敵に見えた。やはり才女は違うなぁーと心から思った。

「さてと…」

スイーツルームに戻った。

うひょーーーーーーーーーーー



すっかり忘れたいた。そういえば、食べ残しのスイーツがあったのだ(図(*))。

それを食べると、眠くなったので、寝た。

*: https://www.smashingmagazine.com/2009/12/yummy-a-free-tasty-icon-set/より引用

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通信データ vol.108

通信データのvol.107で我がエビカぁニⅢ世は、リヒト・マーガレぁⅢ世殿とタコンイぃカⅢ世殿に対して、アンプーノ・イゴ星でリヒト・マーガレぁⅢ世殿が特集したイゴなニュース誌に掲載されていた信号をすでに知っていることを告げた。しかし、我がエビカぁニⅢ世が観察した信号は、イゴなニュース誌の赤い線のみであり、緑の線は知らなかった。そこで、リヒト・マーガレぁⅢ世殿に尋ねてみた。

エビカぁニⅢ世:「イゴなニュース誌にある赤い線は宇宙船のデアブタンク600ぇすいの航行中に得られた信号と同じです。なのですが、この緑の線は知らないので、この緑の線について、リヒト・マーガレぁⅢ世殿からぜひ教えて頂きたいのですが…」

リヒト・マーガレぁⅢ世:「これね。これは、実は私ことリヒト・マーガレぁⅢ世が観察していた微生物からの信号なの。微生物の名は、私ことリヒト・マーガレぁⅢ世の上級学者でもあるリヒト・ぁシュバオロスⅡ世から取って、ぁシュバオロス菌と名付けられた菌で、国際宇宙連合体でも10年ほど前にいちやく有名になった微生物なのね。エビカぁニⅢ世殿もその存在をすでに知っているかと思うけど…」

エビカぁニⅢ世:(…やばい。まったく、知らなかった…。)「そ、そ、そうだよね…。」

リヒト・マーガレぁⅢ世:「このぁシュバオロス菌は不思議なことに、何も栄養を必要としない、何かの化学的な反応によって生存していることは分かってはいるの。一説には、宇宙における初めての菌かもしれないともいわれてはいるのね。もともと、アンプーノ・イゴ星に20年前に落ちてきた隕石に含まれていた菌なので、その何かの化学的な反応については未だに明らかになっていないことが、この菌の最大の謎の一つなのだけれども、この菌のもう一つの特徴として、同じ菌から発信されたの何らかの信号源に呼応するらしく、2つ離れた箇所に菌を置いても、その両方が同期することが分かっているの。この菌間の同期をうまく操作すると、ぁシュバオロス菌の起源となる星の秘密が分かるはず、さらに、それによってその星で宇宙における初の生命体の秘密も分かるはず、と、私ことリヒト・マーガレぁⅢ世は20年前から提唱していたのね。そこで、いろいろな星に向けて同期する方向を探していたのだけれども、今回、ちょっとした実験上の手違いもあったにも関わららず、そのお陰もあってなんだけれども、改めて偶然にハドゴンG星の”ぴラミクの穴”と名付けられている洞窟上の地形の方向に向いたときに、なぜかアンプーノ・イゴ星にあるサンプルのぁシュバオロス菌が同期し始めたの。その時、ハドゴンG星に生命体がいるのではと思ったの。ただ、ほら、ハドゴンG星はむかしの探索の際にすでに生命体はいないと決着がついていた上に、以前、ハドゴンG星に詳細にサンプルのぁシュバオロス菌を向けた時でも、”やっぱり”なほど反応していなかったので、もはや、ぁシュバオロス菌の起源の星としては、ハドゴンG星は却下していた、にも関わらず…ね。ほんと、偶然なの。らっきーだったわ。」

エビカぁニⅢ世:「ふ~ん…。」

我がエビカぁニⅢ世の勉強不足もあって、ぁシュバオロス菌自体もおろか、そんな宇宙における初めての菌の可能性も、まったく知らなかった。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「詳しくは、明日の特別の学会で述べようと思うのね。偶然の再会だけれども、もちろんエビカぁニⅢ世殿も参加するわね?」

エビカぁニⅢ世:「御意ぃひ。」

またもや、声がうわずってしまった。

リヒト・マーガレぁⅢ世:「今回の学会には、このエルビぃ48星だけではなく、ここから45億kmも離れたマリーム星からも学者を招集したのよ。学会にはもちろん私ことリヒト・マーガレぁⅢ世と同じく微生物学者から、タコンイぃカⅢ世殿のような通信工学者、あるいは、エビカぁニⅢ世殿と同じく生態学者も招集したのよ。ちょっと私ことリヒト・マーガレぁⅢ世の

ちょっとした計画

もあってね…。」

エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「

計画

。ふ~ん…。」

アンプーノ・イゴ星人は、興奮すると頭頂の星に似た器官が大きくなるのが特徴でもあるが、リヒト・マーガレぁⅢ世殿もそうなっていた。

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